サラマンカ巡回セミナー 2018年11月報告

サラマンカ巡回セミナー
2018年11月16日(金)午後3時半から7時半まで
会場:サラマンカ大学スペイン日本文化センター
講師:JFMD日本語教育アドバイザー・篠崎摂子先生
主催:国際交流基金マドリード文化センター

 

今回のセミナーのテーマは、「初級後半からの読解を考える -授業と試験-」でした。このテーマは参加予定者に希望を募って決定されましたが、個人的にも読解が多くを占める授業を近く担当する予定があり読解を希望に挙げていましたので大変タイムリーなものでした。

 

今回のセミナーの目標は、①読解の特徴を理解する ②試験で測る読解能力を考える ③読解能力を養成するための教え方を考える でした。

 

まず、「読解」についてのイメージや読解にはどんな能力が必要だと思うかを共有し、読解に関する基礎知識として伝統的なボトムアップ・モデルと最近推奨されているトップダウン・モデルがあること、それぞれのストラテジーを整理しました。そしてそれを元に、JLPTのN4とN3の読解問題を分析する作業をして試験ではどんなことが問われているのかを確認しました。

 

次にそうして問われる読解能力を養成するための効果的な教え方を考えるため、『まるごと 日本のことばと文化』初中級(A2/B1)と中級(B1)の読解のパートを各自分析してペアで確認し、全体で共有しました。ここで分析したことは読解教材の素材や読む目的、構成や問題形式とその意図などです。初中級と中級では多少構成に違いがあることも確認しました。

 

そして最後に、先ほど分析したものとは違うJLPTのN3の読解問題に使われたテクスト、それより長いエッセイ文、それらよりカジュアルなブログの文章を素材とし、各自が好きなテクストを選んで読解問題を作成する作業をしました。

 

今回のセミナーでは、読解(読み方)のボトムアップとトップダウンという二つのモデルとそのストラテジー、そしてそれぞれの能力を養成するためにどんな教え方(問い方)をすればよいかということを学びました。しかし個人的には実際に読解問題の作成に取り組んでみるとなかなか難しく、この訓練の必要性をひしひしと感じました。私は自分のタジェール実施のため最後の作業中に先に退出しなければならなかったので、他の参加者の皆さんと最後の部分に参加できなかったのですが、4時間のセミナー中、皆さんとても集中して取り組んでおられました。講師の篠崎先生、大変有意義なセミナーをありがとうございました。また加藤先生、いつもオーガナイズしてくださりありがとうございます。

仲西宏美(サラマンカ)