サラマンカ巡回セミナー 2016年3月報告

サラマンカ巡回セミナー 2016年3月報告

3月18日、サラマンカ大学日西文化センターのアウラ・ハポンでJFMD巡回セミナー en Salamancaが開催されました。講師はJFMD日本語アドバイザーの近藤裕美子先生がご担当され、「初級から中級までの各レベルにおける『書く』活動の指導・評価について考える」をテーマにセミナーが行われました。サラマンカ大学日西文化センターや文献学部で日本語を教えている教師および日本語教育に興味のある日本人留学生合わせて9名が参加しました。

セミナーはまず各参加者が「書くこと」からイメージするキーワードをあげることから始まりました。上がったキーワードを見比べてみると、各参加者がさまざまな角度から「書くこと」を捉えていたことがわかり、いかに「書くこと」が奥深いか気づきました。その後、書く能力について考えるため、DELEの作文問題をA1からB1のどれに該当するか分類し、学習者が置かれている状況に適した問題を作成することの重要さを学びました。

休憩後、書くことの評価について、実際に学習者が書いた作文を見ながら評価付けを行いました。参加者間で見比べてみると、同じ作文でも評価者によって評価が大幅に変わることがわかりました。何を基準に評価しているのか明確にして学習者と共有することがいかに重要であるかがよく理解できました。その後、それまで気づいたことをもとに、書くことの指導について考えました。学習者にあったテーマ設定を行い、他の学習者とのコミュニケーションを重視して他の技能と組み合わせた教室活動を設定し、モチベーションを高めるフィードバックを実施することについて考えました。

4時間にわたるセミナーでしたが、あっという間に過ぎ去るほど充実した時間でした。参加者は「書くこと」の指導について新しい視点を得て、これまでの授業実践を振り返ることができました。今後、実際の授業の中でセミナーで学んだことを実行していきたいと思います。

(サラマンカ、守屋先生)