第二回日本語劇コンクールをめざして
6月24日、マドリードのセルバンテス文化センターにて、第二回日本語劇コンクールが行われました。スペイン全土から予選を通過した8つのグループによる、日本語でのオリジナル劇の発表会です。今回から学校機関ではない個人授業のグループでも参加が可能になり、ムルシアにて個人授業で勉強する私たちのグループも参加できることになりました。
当日の朝ムルシアを出発し、リハーサルのため会場入りすると、既にたくさんの学生のみなさんが、衣装に着替え準備を終えていました。我が学生たちは、その雰囲気に圧倒されつつも大興奮。傍から見ていて、セリフを全部忘れやしないかと心配するほどでした。
無事にリハーサルを終え、いざ本番。コンクールの開始です。始まってみると、どのグループもオリジナリティに富んだ素晴らしい作品を披露されており、一つ一つの劇に魅入るうち、時間があっと言う間に過ぎていきました。工夫を凝らした小道具やキャラクター設定、更に、俳優のみなさんの名演技…。少々のアクシデントがあっても、その場の機転で乗り切れる力(しかも、日本語で)には、本当に感心させられました。みなさんの日本語力と創造性、そして、年齢やバックグラウンドにも幅があるグループの結束力など、何もかにもが素晴らしい!引率されていた先生方の指導力に敬服です。
私共のグループは、各々が個人で授業を受けているため、日本語を通じたほかの学生との関わりが少なく、参加者を募ったものの当初はコンクールの応募に不安がいっぱいでした。加えて、メンバーの住んでいる地域間に距離があったため、直接的な集まりがしにくく、打ち合わせや練習のほとんどをスカイプなどで行っていました。少ない実際の演技の練習では、既に夏日になっていたムルシア某公園の野外ステージを使用し、道行く人に珍しがられながら度胸をつけたようです。当日、急病で一名不参加になったり、 忘れた小道具を取りに走ってホテルまで戻らなければならなかったりと、最後までドキドキさせられましたが、本番でここ一番の力が出せたようで、安堵いたしました。また、その後に行われた日本大使館での懇親会では、たくさんの日本語を勉強している学生の方々と触れ合うことができ、大いに刺激を受けたようです。
最後になりましたが、関係者の皆様、コンクールの運営に尽力された皆様、このコンクールに挑戦できる機会をいただいたことに感謝いたします。また、ほかの先生方からもアドバイスやご協力をいただき、ありがとうございました。学生のみならず、私にとっても勉強になることがたくさんあり、新たな活力を与えていただきました。
安藝 あずみ(ムルシア)