JFマドリード日本語アドバイザーの近藤由美子先生によるパンプローナ巡回セミナー。10月8日、六回目を迎える今回のテーマは、「中級を考える」でした。
諸データによりスペイン内の中級の学習者が増加傾向にあることが確認され、今後より重要になると思われる「中級」について、今一度、「中級とは」という根本的な問いかけから始まったセミナー。他の回と同様、様々なワークを通して、教師陣の経験、考えを整理しながら具体化・視覚化し、効果的な指導法に至るまでを全員で考察しました。
特に、今まで何度も目にしていたであろうJLPT、CEFRの各レベルの規定、あるいはよく使用される教科書の初級と中級の目次からその構成を比較する、というワークでは、文法重視の初級とは異なった、中級ならではの到達目標を具体的に把握することが出来ました。
学習者自身が自分の間違いに気づき修正していくモニタリング能力、各分野において効率的な上達を目指すための学習ストラテジー等の興味深い定義は、教師自身も各テキストと深く向き合い、より良い指導のための「指導ストラテジー」を持つ必要がある、ということを示唆していたように思います。それらの視点がふんだんに盛り込まれた『まるごと中級1』は眺めているだけでも楽しく、ぜひ使用してみたいと思いました。
山口広恵(パンプローナ)