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バレンシア巡回セミナー

今回のセミナーは、ウォーミングアップとして、漢字指導についての実践・経験の共有から始まりました。部首を重視した指導、短い時間でも毎回漢字の時間を取り入れた授業、ゲーム感覚での漢字導入・復習・上達チェックなど、たくさんの興味深いコメントが出ました。

 

その後、「中級」を理解し、その上で初級の指導法を振り返るという目的のもと、セミナーの本編(3部構成)に入りました。第一部では、JLPTのいろいろなレベルの読解問題の中からN3レベルの問題を選び出すなどの「中級探しのタスク」を通し、B1の特徴理解を試みました。私は11月の藤長先生による「中級セミナー」に参加したので、レベルイメージは多少掴んでいるつもりだったのですが、かなりてこずったタスクもありました。

 

第二部では、中級指導のポイントを理解することを目的に、複数の教科書分析を通し、初級と中級の違いをまとめました。初級は、学習項目が決まっているので、積み上げ式の学習が可能なのに対し、中級は学習項目が決まっておらず、総合的な学習方法が求められます。この比較により、初級時から中級を視野に入れた指導の必要性が見えてきました。その他、第二部では「まるごと中級1 B1」の特徴を把握した上で、グループに分かれ、トピック6の1パートを分析して、そのポイントを発表しました。

 

第三部では、「まるごと中級」の授業がどのように実践されているか、ビデオで実際の中級の授業風景(Casa Asia Madrid小島妙子先生)を見せていただき、感想や質問を共有しました。個人的には、各パートにある目標を、パートに入る時点でどのように学習者に意識させるのか気になっていたので、小島先生の授業を拝見し、アイデアを得たような気がしました。

 

補足として、期待以上によかった点を2点、お話したいと思います。

 

終日セミナー。

こちらから終日セミナーをお願いしたにもかかわらず、実は、集中力が続くかしらと不安も感じながら参加しました。ところが、集中力の低下も疲労感も感じることなく、あっという間に終了時間。時間がなくてXXができなかったということがなく、内容消化度大幅にアップ、それに伴い充実感もアップ。終日セミナー、オススメします!

参加者との実践・感想・意見共有。

今回のセミナーでは、漢字指導について、教科書の分析結果についてなど、参加者全員が発表するという活動がありました。例えば3分と制限時間が設けられていて、各自本当にコメントしたい内容を厳選するというプロセスも加わったためか、役に立つ情報、あらたな実践につながりそうな情報があちこちに散らばっていて、お得度の高いセミナーでした。

最後に、今回、このような有意義なセミナーになったのも、私たちの要望を一生懸命近藤先生に伝えてくださったまとめ役の松本さん、そして、その要望に沿ったセミナーデザインをしてくださった近藤先生、積極的な態度で臨んでくださった参加者のおかげだと思います。ありがとうございました。

 

(バレンシア、馬場先生)