2018年秋APJE定例研修会
2018年11月4日(日)午前10時30分から午後2時まで
会場:CNLagasca
講師:白石實先生(バルセロナ自治大学退官)
主催:APJE
テーマ:「さくらネットワークプロジェクトから ―スペイン語母語学習者の読解における「壁」の分析 ―小説「ひとり日和」翻訳時の呟き―」
11月4日(日)に開催されたAPJE秋の定例研修会では、白石實先生をお迎えして、「さくらネットワークプロジェクトから−スペイン語母語学習者の読解における「壁」」の分析−小説「ひとり日和」翻訳時の呟き」というテーマでお話し頂き、研修会後半はワークを通してスペイン語母語話者が日本語学習でぶつかる壁について、実際の例を元に考え、みんなで話し合いました。
前半の講演では、さくらネットワークプロジェクトの目的、手順、結果などの詳細を伺いました。プロジェクトを行う上でのリソースの決定の過程や理由、進める中での注意点など、とても参考になりました。また、どんな壁にぶつかっているのか、学習者たち自身が言葉にできないからこそ壁であり、思い思いのつぶやきを分析して検出していくというのは、このようなプロジェクトだけでなく、普段の授業でも意識すると見えてくることがありそうだと感じました。
後半のワークでは、実際にプロジェクトから生まれた翻訳と原文を読み比べ、どんな点がつまずきやすいと思うか、実際にどのような壁が表れているか、またそれらを踏まえてどういった点を普段の授業で注意・指導すれば良いか、全体で意見を出し合いました。日本語が母語だと意識しないことばかりで、今までは答えに困っていた質問の答えもあり、まさに目から鱗でした。考えたり、近くの人と話し合ったりする時間が足りないと感じられるほど、とても興味深い内容でした。
この研修会で学んだ日本語の壁や、学習者と話す中で感じる日本語とスペイン語との相違を意識することで、授業をより良いものにしていきたいと思いました。
神原可奈美(アルメリア)