第10回APJE総会兼研修会
日時:2019年2月2日(土)
場所: Hotel Via Castellana (Paseo de la Castellana 220, 28046 Madrid, España)
テーマ:学習者一人ひとりが見つける「日本語世界」
講師:トムソン木下千尋先生(豪州、ニューサウスウェルズ大学)
第10回APJE総会兼研修会は2月2日の土曜日、マドリードのHotel Via Castellanaにて開催されました。研修会の講師にはオーストラリアのニューサウスウエルズ大学のトムソン木下千尋先生をお迎えし、「学習者一人ひとりが見つける『日本語世界』」についてお話を伺い、そのあとワークショップを行いました。
学習者が主体となり、習得した日本語を使って日本文化についてリサーチをする「内容言語統合型学習」の紹介のあと、学習者それぞれの「日本語世界」の研究発表会をビデオ見学。素晴らしい研究発表の裏側にある「実践コミュニティ」の存在がもたらす「社会文化的アプローチ」による日本語学習に大いに啓発された参加者も多かったのではないでしょうか。
続くワークショップでは、私たち日本語教師が同じように「日本語世界発見」プロジェクトを組むことを想定し、グループでテーマや方法などについて考えたポスターを交換し、最後に意見を書きこみました。
講演資料・ワークショップ資料・ワークショップのポスターはこちらをご覧ください。
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http://apje.es/wordpress/ja/2019/02/09/shiryo-20190202/
アンケートから参加者の声を紹介します。
・学習者それぞれの日本文化をみつけるという考え方が参考になった。
・グループワークについて行き詰まることがあったので、新しい活動の幅が広がったように感じました。
・学習というものが人とのつながりを通して、個人の活動では得られない実りの多いものになるということがよく分かった。
・人とつながる勉強の仕方について参考になりました。語学は自分一人で勉強するのはつらいですので有効な方法だと思います。
・これまで、伝統的な個人的学びに焦点を当てて考えてきたので、グループによる活動やいろいろなリソースの利用による社会的な学びというものが学習者の言語運用の血肉になることがわかりました。
・「教える」のではなく、「学ぶ」をサポートする授業をぐたいてきに考え、案にすることができたのはとてもいい経験だった。
・ワークショップで実際に教案を作ってみたり、他のグループの教案を見たりできて、理解の助けになりました。
・文化学習において学習者自身が興味・関心のあるテーマを提示し主体的にプロジェクトを進めるという方法が新鮮で参考になりました。
・学生一人一人との関わり方、学生が何に興味を持っているのか、出席代わりに行われているとおっしゃっていたアイデアを参考にやってみたいと思います。
(デジ部執筆班)
同じく2月2日午前に行われた総会については、総会議事録をご覧ください。